【導入】 気持ちの中に一緒に座る
職場のフロアに、あの人の声が響く。
ただそれだけで、心臓がギュッと収縮して、
呼吸が少しだけ浅くなることはありませんか。
仕事だから、関わらないわけにはいかない。
でも、話しかける前には何度も予行演習が必要で、
一言交わした後は、どっと疲れが押し寄せる。
「いい大人なんだから、うまくやらなきゃ」
「相手に悪気はないんだから、自分が我慢すればいい」
そうやって、自分の「嫌だ」という感覚に蓋をして、
無理に笑ってやり過ごしていませんか。
その繊細な配慮は素晴らしいものですが、
あなたの心が悲鳴をあげてしまう前に、
少しだけ「心の守り方」を学んでみましょう。
【共感】 あなたは悪くない
「苦手な人がいること」は、
決してあなたの性格が悪いからではありません。
人間には、
理屈では説明できない「心の波長」というものがあります。
特に中途採用で入社した場合、
相手が職場のルールを熟知している「主」のように見え、
余計に圧力を感じてしまうこともあるでしょう。
あなたが苦しいのは、今の環境でうまくやっていこうと、
一生懸命に手を伸ばしている証拠です。
「苦手だ」と感じる自分を責めるのは、もうおしまい。
それは、あなたの心があなたを守ろうとして出している、
大切なサインなのです。
【解決策①】 「仕事の役」を演じきる
あの人の前では「素の自分」を出す必要はありません。
あなたは今、職場の舞台に立つ「俳優」であり、
「そつなく仕事をこなす社員」という役を演じている。
そう割り切ってみることで、心が少し軽くなります。
心のシャッターを半分下ろして、
「業務」というフィルター越しに接してみましょう。
相手の言葉が直接あなたの心に突き刺さるのを、
物理的に防ぐことができます。
【解決策②】 「期待」をゼロに設定する
「いつか分かってくれるかも」
「いつか優しく接してくれるかも」そんな微かな期待が、
裏切られた時のショックを大きくしてしまいます。
「あの人は、ああいう風にしか振る舞えない人なんだ」と、
初めから期待のハードルを地面まで下げてしまいましょう。
期待がなければ、
相手の無神経な言動に振り回されるエネルギーを、
最小限に抑えられます。
【解決策③】 自分だけの「聖域」を確保する
職場のデスクや、お昼休みの数分間。
そこだけは誰にも侵されない、
「自分の聖域」だと決ってください。
お気に入りの香りを忍ばせたハンカチを嗅ぐ。
好きな音楽を一曲だけ聴いてリセットする。
トゲトゲしてしまった心を、
その聖域で撫でてあげてください。
「仕事が終われば、自由な自分が待っている」
その感覚を忘れないでくださいね。
【まとめ】
苦手な人がいる職場で過ごす毎日は、
それだけで、フルマラソンを走るような重労働です。
今日一日、あの人の前で笑顔を作った自分を、
「本当によくやったね」と、
最大級の言葉で褒めてあげてください。
無理に好きになる必要も、仲良くなる必要もありません。
あなたがあなたらしく、穏やかな呼吸を取り戻せる時間を、
一秒でも増やしていけますように。
【書籍紹介】
「繊細さん」の知恵袋
職場にいる「不機嫌な人」や「ガツガツした人」に、
どうしても振り回されてしまうあなたへ。
人気カウンセラーの武田友紀さんが、
繊細な人が職場でラクに生きるための具体的な知恵をたくさん集めた一冊です。
「逃げてもいい、隠れてもいい」という優しい全肯定のメッセージは、
孤独を感じやすい中途採用の時期に、
心強いお守りになってくれるはずです。
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