「前の会社なら……」その一言が、喉まで出かかった夜に
新しい職場に入って数週間。
業務の進め方やツールの使い方を見て、
「もっと効率的なやり方があるのに」
「前の会社ならこうしていたのに」と、
もどかしく感じることはありませんか。
良かれと思って提案しても、
「うちはずっとこのやり方だから」と一蹴されてしまうと、
自分の経験が否定されたような、やりきれない気持ちになりますよね。
でも、その「違和感」はあなたがプロとして
真剣に仕事に向き合っている証拠。
大切なのは、その違和感を「衝突」ではなく、
自分の心を削らない「処世術」に変えていくことです。
【処世術①】 「正しい・間違い」の判断を一度手放す
「前の会社は正かった、
今の会社は間違っている」という二分法で考えてしまうと、
心に怒りやストレスが生まれます。
- 「ただの事実」として受け止める
「この会社は、こういう手順で進める文化なのだ」と、
まずは評価を加えずに観察に徹します。 - 背景にある「理由」を推測する
非効率に見えても、
過去の大きなミスを防ぐための二重チェックだったり、
ITに不慣れなクライアントへの配慮だったりする場合もあります。
【処世術②】 「比較」ではなく「貢献」の言葉を使う
「前はこうでした」という言葉は、
今の職場の否定に聞こえてしまいがちです。
自分の知識を「マウント」ではなく「
助け舟」として差し出してみましょう。
- NG:
「前の会社ではこうしていたので、今のやり方は非効率です」 - OK:
「以前、似たようなケースで〇〇というツールを使ったことがあり、
もしお役に立てそうなら共有してもよろしいでしょうか?」 - ポイント:
相手のやり方を尊重した上で、
「選択肢を増やす」というスタンスで提案します。
【処世術③】 自分の「領域」に集中する
組織全体のルールを変えるのは時間がかかります。
まずは、自分の手の届く範囲を快適にすることにエネルギーを使いましょう。
- 自分だけの「効率化」を静かに進める
共通のルールは守りつつ、
自分の作業を爆速にするショートカットや工夫を積み重ねます。 - 背中で見せる
あなたが圧倒的なスピードと精度で仕事をこなせば、
周囲から「どうやってるの?」と聞かれる時が必ず来ます。
改善はその時からでも遅くありません。
今の環境に心が削られすぎないために
あまりに前時代的なやり方や、
改善を拒む空気に心が疲弊しそうなときは、
自分の感覚がズレていないかを確認することも大切です。
「自分の価値がここで止まってしまうのでは」と不安になったら、
一度外の世界の空気を吸ってみてください。
今の職場がすべてではない、
いつでも動ける準備はできていると思えるだけで、
今の不自由さも「期間限定の修行」として受け流せるようになります。
【まとめ】
「前の会社と違う」ことにストレスを感じるのは、
あなたが優れた経験を持っているからです。
でも、その正義感で自分自身を傷つけてしまっては元も子もありません。
まずは「そういうものだ」と一歩引いて眺めてみる。
あなたの色は、今の職場に馴染んだ後で、
少しずつ、確実に広げていけばいいのです。
【書籍紹介】
反応しない練習――あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
新しい職場のやり方に「それはおかしい!」と
心が反応して疲れてしまったときに。
相手や環境を変えようとするのではなく、
自分の「反応」をコントロールすることで、
どんな環境でも自分を失わずに過ごすための知恵をくれる一冊です。
【関連記事】
中途採用で孤立したとき、転職すべきか残るべきか判断する3つの視点
「こんなことも知らないの?」が怖くて質問できない!中途採用の孤独を信頼に変える聞き方
中途採用で職場に馴染めないのはなぜ?孤独を感じやすい3つの理由